遅延するプロジェクトとその対策
いつの間にか遅延していくプロジェクト
仕事をしていると”プロジェクト”という取り組みをみんな経験したことがあるでしょう。
そして、もう一つみんなが経験していることとして、
プロジェクトが遅延して辛い経験をしたということです。
残業や休日出勤をしてなんとかスケジュール通りに間に合わせたり、
先輩や同僚に手伝ってもらいながら深夜まで作業をするなんて経験をされた方も少ないはずです。
今回は、いつの間にか遅延しているプロジェクトの要因と対策をお話していきます。
ちなみに参考文献は、以下のようなプロジェクトマネジメントの良書になります。
「プロジェクトが思い通りに進まない」「初めてプロジェクトマネジャーになる」といった方々に大変参考になる書籍です。
ぜひ、手元にあって損はないかと思います。
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予定通り進まない要因と対策
イメージが湧きやすいように、具体的なプロジェクトを想定してお話を進めていきますね。
あたなは、webサイトを運営する会社の分析部門に属しています。
ある日、上司から「ユーザーのアクセス状況がわかるダッシュボードを作って欲しい」と依頼を受けました。
ダッシュボードで見たいのは以下の3つです。
- デイリーのアクセス人数
- アクセス時間帯
- ランディングページ
この3つをダッシュボード化して、毎日チェックするようにしましょう。
さて、作業を進めていると上司から呼び出され追加の依頼が来ました。
「新規とリピーターの割合も知りたいな、あと、セッション中のPV数も見れると助かるよ。」
当初のダッシュボード作成依頼から新たに2つの要素が加わりました。
困ったものですね、、最初の3つをダッシュボード化するためにデータを集め、ダッシュボードのデザインも練っていたところに、
急に2つの要素が入ってきて、デザインもデータの取り方も大きな修正が発生してしまいました。
あたなは毎日夜遅くまで残業し、休日も出勤してなんとかダッシュボードを作成することができました。
そして、上司にダッシュボードを見せたところ、
「うーん、なんか思っていたのと違うかな。もっとこう、どんなユーザーが減ってきたのか見たいんだよね。」
机をひっくり返して、胸ぐらを掴みたくなる気持ちをグッと抑えましょう。
「わかりました」と返事をして、席について深呼吸。
「(結局、何が見たいんだよ。。わかんねぇよ。。。。)」
さて、これまでの例を踏まえて、具体的な遅延の要因を探っていきましょう。
依頼者の要求
今回、上司である依頼者からはダッシュボードを作成してほしいと言われました。
そして、あなたはダッシュボード作成に取り掛かりました。
まずここで考えてほしいことがあります。
なぜ、依頼者はダッシュボードが必要だったのでしょうか?
ユーザーのアクセス状況を日々チェックすることで、依頼者は何を実現したかったのでしょうか? もちろん、「ただ毎日ダッシュボードを眺めるだけ」なんて理由があるはずはありません。
ダッシュボードを作成してチェックするということは、何かを実現したい意思があるからでしょう。
上司からダッシュボードを作成してほしいと依頼をされたときには、
まず、ダッシュボードを作成する意図を確認するべきでした。
それでは、上司にダッシュボード作成の意図を確認してみましょう。
すると、このような回答が返ってきました。
「最近、売上が減少してきて、それがユーザーのアクセスの減少じゃないかと思っている。」
なるほど、だからダッシュボードを作成することで、
ユーザーのアクセスをモニタリングしようとしたのです。
唐突な追加要望
プロジェクトを進めていく中で、突然依頼が発生しましたね。
「新規とリピーターの割合も知りたいな、あと、セッション中のPV数も見れると助かるよ。」
そう、この2つが急に発生しました。
これも、プロジェクトが開始する段階で、依頼者の要求を正しく理解していれば、
こんな唐突にお願いされることなんて無かったかもしれません。
そもそも、ダッシュボード作成の目的は、サイトの売上減少です。
そこから逆算して、どんな項目をダッシュボード化するべきだったのかを事前に上司とすり合わせておけば、唐突な依頼が発生することは無かったでしょう。
もしくは、唐突な依頼が来ても、それは今回のダッシュボードの目的とはズレていると議論し、今回のプロジェクトの中には含まれなかったかもしれません。
利用目的
ダッシュボードの作成依頼をしてきたのは、上司でした。
ということは上司だけがダッシュボードを見るのでしょうか??
ダッシュボードを見たあとの具体的なアクションがイメージできないと
どんな見せ方をするべきなのか、何を強調するべきなのかを検討することができません。
従って、今回のダッシュボード作成の依頼が来た段階で、
誰が見るのか、どのタイミングで見るのか、見たあとどんな行動を起こすのか確認するべきでした。
これを明確に想定することができていたら、ダッシュボードのデザイン検討の際に、有効な情報となります。 また、現場レベルの人が見るのか、マネジメント層が見るのか次第で、情報の粒度も変わってきます。
このように、ダッシュボードを見ると言っても、誰が何の目的で、見たあとのアクションをヒアリングしておきましょう。
まとめ
さて、これまでの内容をおさらいしておきましょう。
プロジェクトがスケジュール通りに進まない要因としては、
- 依頼者の要求を正確に理解できていないこと
- プロジェクトで実現できたときに、依頼者はどんなアクションを起こすのか理解していないこと
この2つがあると思います。
その他にも様々な要因が存在すると思いますが、まずはこの大きな2つの要素がプロジェクトの進行に大きな影響を与えていると言えるでしょう。
参考文献
- 作者: 前田考歩,後藤洋平
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- 作者: 伊藤大輔
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