データ分析プロジェクトを成功へ導く~課題設定編~

今回のテーマ

データ分析プロジェクトが価値を発揮するには?

IOTなどにより、データが蓄積されて、
それらを活用するべくデータ分析プロジェクトが発足します。

ただ、そういったプロジェクトの多くは失敗に終わります。

失敗に終わるパターンとして、

  • いろいろ分析したけど、結局何が分かったの?
  • 結果は出たけど、プロセスが理解できなくて信用できない
  • 今それが分かったとしても、ビジネス的に価値は少ない

失敗したプロジェクトを振り返ると、このような結論が出てくると思います。

あなたが、データ分析のプロジェクトマネージャーだったりメンバーの場合、
一生懸命、分析をしたのにフィードバックとして、こんな言葉を貰うと悲しいですよね。
悲しいだけでなく、分析者としてバリューを発揮できないと思われてしまうのは、もっと嫌ですよね。

そうならないために、データ分析プロジェクトを成功へ導くアイディアをご提案します。

成功への要素

  • 課題設定
  • 仮設思考
  • 明確なアウトレット

成功に導くには、この3つの要素が重要になります。
それぞれの内容がボリューム満点のため、今回は課題設定にフォーカスします。

課題設定

3つの成功要因として、私は最も課題設定が重要と考えております。
課題設定がズレていると、大半のプロジェクトは失敗すると思います。

まず、課題設定とは何か?
プロジェクトを通して、何を明らかにしたいか?

ここでよくある間違いとして、
「このプロジェクトは、レコメンドエンジンを構築することだ!」と
プロジェクトの目的を設定されることがあります。

あくまでも、レコメンドという手法は、
分析から得た知見を活かしたアウトプットに過ぎません。

課題設定は、プロジェクトを進める上でのコンセプトであり、
プロジェクトが進んでもブレることのない内容になります。

更に詳しい説明や書籍は、こちらの本が参考になると思います。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

どうやって課題設定する?

さて、課題設定と一言で表現できても、実際に考えだすと非常に難しいのです。
これまでいくつかのプロジェクトに関わってきましたが、
課題を設定するところが最も頭を悩ませるポイントです。

以下に課題設定をする際のポイントをご説明いたします。

誰にとって

課題設定をする際には、誰にとっての課題か考える必要があります。
課題は会社規模なのに、特定部署だけが課題解決に向けて頑張っても、
おそらく解決は難しいでしょう。

また、部署の中でも部長クラスなのか、
現場担当者クラスなのか考える必要があります。

優先度

次に、取り組むべき課題の優先度です。
会社によっては、売上向上よりも原価削減に注力するかもしれません。
新規利用者開拓よりも、リピーターの継続に資本を投入する会社もあります。

会社や部署単位で、戦略として掲げている内容とズレが発生すると、
せっかくプロジェクトで分析しても、戦略上優先度が低いと
取り組んでいる内容に関心を示してもらえません。

スコープ

今回のプロジェクトのスコープをどこまでに設定するか?
これが明確でなければ、徐々にプロジェクトの方向性がずれてしまい、
好き放題に風呂敷が広がっていきます。

例えば、リピーターの分析をすると決定した際に、
リピーターの離反は分析するが、どういった人たちがリピーターになってくれるか?
に関しては、スコープ外とし、今回のプロジェクトでは取り組まない。

といったように、何にフォーカスして、何を除外するのかを明確にします。

まとめ

これまでの内容をまとめると、

  • プロジェクトで何を明らかにするかゴールを設定する
  • 課題の内容は誰にとっての課題か
  • 事業の戦略と課題がマッチしている
  • プロジェクトスコープが決まっている

このような内容がプロジェクト開始時に定められていると
よっぽどのことが無い限りプロジェクトは失敗しないと考えております。

もちろん、これ以外の要素も多分に成功要因に絡んできますので、
それ以外に関しては、別の記事にてご説明させていただきます。

参考文献

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

論点思考

論点思考